十二人の死にたい子どもたち 感想(ネタバレあり)
まずは基本的なデータです。
十二人の死にたい子どもたち
冲方丁 文春文庫
ISBN 978-4167911508
あらすじは、十二人の死にたいこどもたち(病気であったり、イジメであったり理由は様々)が集まってみんなで死のう、と集まったはいいものの集合場所である地下室に見知らぬ13人目の死体があり、この死体は誰が?何のために?を解決していく物語です。
この物語、12人が集まって色々と話し合うわけですが、割とトリックが運頼みのものになっています。
まあ子どもだし突発的な事だしそもそも殺したわけではなくて隠しながら移動しただけだしって事でまあおかしくは無いのですが。
何度も何度も話し合い、途中では皆が来た理由が明かされたり、集合するためのテストは内容が適当でも構わない事が判明したりです。
ですが、ラストにそもそもこの会は何度も行われている事が判明します。その度に皆死なずに帰っていくことも。
その事実を受けて次の回に参加させろ、と今回の参加者が言って主催者が了承して物語は終わります。
ある意味生き残ることは必然というかまあそうなるんだろうなと思いながら見ている人間がいたという事です。
同時にこれはこれからもこの回は開かれていくという事が示されています。
と、いう事を考えながら二周目を読むと非常に気分が悪くなってきます。犯人はこの時どんな気分で言ってたのか、主催者は3回目の回だからこれだけ事務的だったのかと。
個人的には面白かったですが、ミステリーほどミステリーしてないのでそういうのを求める人には向いてないかもしれません。
オススメ度★3
謎解きものが好きな人には向かない。そもそも提示された手がかりで解けない。
ただ一つの部屋で話す事で進む映画(キサラギ!、十二人の優しい日本人等)が好きな人はいいかもしれません。
映画化も決まっているので映画に少し期待しています。
タタの魔法使い2(ネタバレあり)
まずは基本的な情報です。
タタの魔法使い2 うーぱー
電撃文庫 ISBN 9784048939683
前作で割と多く生き残った印象がありますが、今作では45名しか生き残りません。
かつ、生き残った要因は「夢」。
あらすじとしては前作「タタの魔法使い」とほぼ同じ。今回はカカという名前の魔法使いがその日いた全校生徒+老人と飼い犬の願いを叶えます。
そして異世界で始まるサバイバル...というお話です。
今回もバトルは少なめです。むしろほぼ戦わない。バーベキューしてモンスターに襲われた話、突如生徒がモンスターに変わった話、最後の異世界人の襲撃くらい。
ただ前作と比べて生還者へのインタビューパートが増えているのでその時、何を考えて行動していたかが掘り下げられる内容の本...という設定の上で物語が進行していきます。
もちろん夢に関しても、この時、こうなったのはこいつの夢であろう。的な事が色々と書いてあります。
最終的には主人公のクラスのリーダーに夢の力で外見が変わっていた主人公が自分の姿を取り戻して今回の元凶であるカカに「友達になろう」と言ったところで入院していた本来の主人公のクラスのリーダーの女の子の夢が叶って親しい人だけが助かるという....叶う瞬間は死ぬ瞬間と明記されていましたがあとがきを読むと生きている気もしますね。
先の展開がわかる、インタビューに応じている以上生きている。
二つの要素から主人公のクラス+インタビューを受けている人たちは何があっても死なないので安心して読めます。
この先も続編出るのかな...もう少し生き残りは絞ってもいい気がします。
オススメ度 ★0.5
何と言うのか...今回学校から動かないの上、宣伝にある「巨大ダンジョンと化した校舎」は単純に地中に埋まっただけでなんら構造が変わったとかでは無いので探索もの、サバイバルものを求めてる人にはオススメしません。
前作のタタの魔法使い、および今作にも名前だけ登場している魔法使いがいるので続編があるかも。
映画 人狼ゲーム感想(ネタバレあり)
まずは基本的なデータです。
人狼ゲーム 2013年公開 続編あり
映画自体は少し前のもので、プライムビデオで見ました。
人狼ゲームのあらすじをざっくり紹介すると、高校生が主人公含め10人誘拐されて本当に死ぬ人狼ゲーム開始!主人公は頑張って推理とかしようとするけど最終的に人狼側の告発があるよ!村人側として主人公+1人が勝利!→人狼として次の戦いへ....
この映画はですね....見にくいですね。なんというか恐らく低予算の中頑張った結果だと思うんですけど、基本的にカメラが引きで撮ってるためにギャーギャーうるさい高校生、程度のイメージしか出来ない映像が延々と続きます。
ぶっちゃけ最後も人狼の人がビービー泣いてるけど????とよくわからんうちに殺されたりするし。
とは言え、この後のシリーズで徐々に改善されていくあたりはいいなと思います。
ちなみに1は首の中になんか埋め込まれててルール違反と処刑の際にそれで頸動脈が切れるらしいです。
ぶっちゃけそれも誰かから聞かないとなんか起きて首から血が出て死んだ!くらいにしか思わないという...
最新シリーズでも相変わらず明らかにならない黒幕組織、割とグダる展開。個人的な好き嫌いで言えば好きなんですが、あまりお勧めは出来ません。
オススメ度
★0.5
この後のシリーズが複雑化していくことを考えると一番シンプルなので全部見るぞ!って言う人は見ておいた方がいい...かも。
タタの魔法使い(ネタバレあり)
まず基本的なデータです。
タタの魔法使い うーぱー
電撃文庫 ISBN 978-4048936118
通勤の間2日間プラス家で寝る前に読んだくらいなので総合で3時間ちょっとくらい。
電撃大賞の作品ですね。ザックリあらすじを説明すると、ある日突然学校にあらわれたタタと言う名の魔法使いが卒業文集に書かれた生徒たちの夢を叶えた状態で異世界へと送り出し、生徒たちは各々の能力を使って日本に戻ってくる。
そしてその話を生還者へのインタビューという形でまとめて出版された、という形式の本です。
その形式上、次に起こる事、生き残る人間、生き残る人数がわかるようになっています。
これまでありそうで無かった切り口にも思うので、そこは面白いです。
ただ話として面白いかと言うと人を選ぶと思います。それというのも単純に戦闘が少ない、謎解き要素があるわけではない。どちらかといえば異世界西遊記、公式ネタバレ付き。と言った形の風情です。
そんな感じなので、戦闘ものを求める人には微妙、脱出ものを求める人には微妙、サバイバル...うーん。ホラー...でもない。
と言ったなんでしょう...器用貧乏とでもいうお話となっています。
とはいえ、前述した通りにありそうで無かった形の小説であり、そこは純粋に面白いです。
短い話で読みやすいのでぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、続編がありますのでそちらも読んだら感想を書こうと思います。
オススメ度 2.5(MAX5)
そろそろ読むものがないなーって人にいいと思います。
かがみの孤城 感想(ネタバレあり)
まずは基本的なデータです。
ポプラ社 ISBN 978-4-591-15332-1
少し前、人気だと言うことで買ってみました。読み終わるまで4日くらいでした。
この本、あらすじとしては不登校の子ども達が鏡からいけるお城に集められて願いの叶う部屋を探す...みたいな感じです。
ただ、序盤から終盤まで基本的に鍵を探しません。
皆仲良くお城で過ごすだけ。そのうちに皆同じ地区に住んでる事が分かりますが、実は時代が違うので会うことが出来ません。
その後も色々と細かいことはありますが最終日、1人の女の子がルールを破ったために主人公が助けに行き、見事願いの部屋を発見。助けられた女の子が主人公のところに来ていた不登校の子どものための施設の職員だった。
という流れがあるわけですが、願いを叶えると記憶が消えると言う縛りのため、残念ながらお互いに分かりません。
1人だけ男の子が記憶残ってるっぽい描写がありましたがあれはきっと狼さまの弟だったからな気がします。
上記の通り、基本的には様々な理由により不登校の子達がお城に集められて雑談やらなんやらをしてるシーンが大半を占めます。謎解き的な部分と言おうか鍵に関しては本当に最後まで動きがない。
最後も皆が狼にやられてからようやく動き出す感じです。
ただ、それが逆にいいのかもという感じ。
それというのも、皆叶えたい願いがあるわけじゃない、でも記憶を無くしたくないという中で自分の願いを優先するか、否かというところにいて、最後は仲間のしたことで皆が死に、それを主人公が助けに行くという流れを作れているからです。
日常があり、体を張ってでも助けたいという行動に無理がありませんでした。
割と人気だから読もうと思った私みたいな人間も非常に面白いと思えた本でした。
今度は読んだことのない辻村深月さんの本を読んでみようかな、と思います。
まとめ
オススメ度4(MAX5)
後半に行くにつれ物語が急加速していくので、最初ちょっとだるいなと思ってもせめて半分くらいまでは読んで欲しい本でした。
屍人荘の殺人 感想(ネタバレ有り)
まずは基本的なデータです。
屍人荘の殺人 今村昌弘
東京創元社 ISBN-978-4488025557
このミス2018年版第1位という事で買ってきました。
読み終わるまでにかかったのは3日くらい。往復2時間弱の通勤と2時間くらい寝る前に読んでいました。
この物語、あらすじとしてはとても簡単で映画研究部の合宿に同行した主人公たちがレクリエーションの一環で肝試しに行ったところゾンビに襲われて合宿の宿泊所であるペンションに戻って籠城するものの殺人事件が発生する......と言うものです。
本格ミステリと言うからには文章も重々しいと言ったイメージを持つと言う方もいらっしゃるかとは思いますが、むしろライトノベルに近い軽めの語り口で語られます。そのために文量としては見た目よりも少ない感じになっています。ガッチガチのミステリ好きには向かないかもしれません。
さてさて内容についてですが、外はゾンビ、中は殺人鬼という変形クローズドサークルとなっています。ゾンビがペンションに攻め込んでくるためゆっくりはできない、でも殺人は起こると言う。
個人的にはとても微妙な気分になったのですが、このゾンビという存在が割と万能と言おうかなんと言おうか......
最初の殺人は殺された男の恋人がゾンビ化して噛み殺していたわけですが、これって要はたまたまゾンビになったからこそそうなったわけでゾンビでなければ起こらなかったし、第2の殺人も犯人はゾンビ化した被害者を殺していますが直接殺したのはゾンビです。さらに言えば最後の被害者も点眼薬の容器に入ったゾンビの血で死んでいます。ちなみに主人公の先輩、明智は結構すぐ死にます。
ともあれ、ゾンビさえいなければこの殺人は起きなかったわけです。
そしてゾンビの方を見ると今度はゾンビウイルスがばらまかれた理由が最後までいまいち謎。最後まで特に明示的に明かされません。
ゾンビの強さについても2階から3階はすぐにバリケードを破るのに屋上の扉は4時間以上破れないと言う強いんだか弱いんだかもよく分からない存在です。
全体的にミステリとしてはうーんどうなんだろうかと思いました。個人的には。
パニックサスペンスものとしてはいいと思います。
最後が続編に続きそうな感じだったので、次回作に期待しようと思います。
まとめ
オススメ度3(MAX5)
パニック物が好きな人、ゾンビがとにかく好きな人にオススメです。2回読むと1回目とは違う細かいところに気づけておもしろいと思います。
このブログについて
皆さん初めまして。名前の読み方はまつりかです。基本的にこのブログでは私が読んだ本、見た映画などの感想を主観で書いていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。
P.S.タイトルに関しては勢いです。何も考えていません。